病院の第三者承継について
当サイトは株式会社SAコーポレーションをスポンサーとしてZenken株式会社が運営しています。
この記事でわかること
- 医療機関の倒産や休業・廃業・解散が増えている
- 医師の高齢化と後継者不足が休業や廃業の原因として挙げられている
- 第三者承継は、後継者不足の問題を解決するひとつの選択肢
診療所の休廃業の現状と「後継者不在」の深刻化
帝国データバンクによると、2025年に倒産した医療機関の数は66件、さらに休業・廃業または解散した件数は823件であり、過去最多の状況です。その中で診療所のデータを見ると倒産が28件、休業・廃業または解散が661件となっており、病院・診療所・歯科医院という業態別に見ると診療所が最も多いという結果になっています。
このように、倒産や休業・廃業・解散が多くなっていることについては、さまざまな背景が考えられますが、そのひとつとして院長の高齢化と後継者が不足しているという点が挙げられます。後継者が見つからず、休業や廃業を余儀なくされている診療所が増えているといえます。
後継者がいない診療所が閉院(廃院)を選ぶ3つのリスク
地域医療への悪影響
診療所の閉院により、長い間通院してきた患者の通院先がなくなってしまうというリスクが挙げられます。特に徒歩圏に他の医療機関がないような地域の場合には、その診療所が地域医療の要となっているケースもあります。このようなケースでは、閉院に伴って地域の診療体制が途切れてしまう可能性が考えられます。
従業員の雇用喪失
診療所で働いているスタッフにとっては、閉院によって職を失うことになるという大きな影響があります。地域内ですぐに新しい勤務先が見つかるとは限らず、他の地域に人材が流出するといった状況になることも予想されます。
多額の閉院コストと手間
閉院に伴って、原状回復費用や医療機器の処分費用、薬剤廃棄にかかる費用、スタッフの退職金など、さまざまな費用が発生します。また、閉院の際には、保健所や厚生局、税務署など非常に多くの手続きを行う必要があります。
後継者問題の解決策「第三者への医業承継(M&A)」とは
第三者承継(M&A)の仕組み
なかなか後継者が見つからない場合には、第三者承継という選択肢もあります。これは、親族や自院の勤務医・スタッフではなく、外部の医師や医療法人に譲渡を行う方法です。この仕組みにより、非常に広い範囲から後継者を探せます。医師の高齢化や後継者不足などの背景から、近年では第三者への承継が注目されているといわれています。
第三者承継(M&A)のメリット
第三者に診療所を承継することによって、地域への医療提供を継続できます。患者はそれまで通っていた診療所に引き続き通えることから、特に医療機関が少ない地域では非常に大きなメリットがあるといえます。
また、これまで一緒に働いてきたスタッフがそのまま働き続けられるため雇用を維持できる、第三者に承継を行う場合には譲渡による利益を得られるという面もあります。
第三者承継(M&A)の注意点
診療所を経営しつつ、自力で希望条件(従業員の雇用や譲渡価格など)を満たせる譲渡先を見つけ、さらに交渉を行なっていくには多大な労力と時間が必要である、という点が注意点として挙げられます。この点から、第三者承継を検討している場合には、専門の仲介会社などに相談しながら進めていくことが欠かせません。
診療所の第三者承継の流れ
診療所が第三者承継を行う場合の大まかな流れは下記のような形になります。
- 専門の仲介会社などに相談する
はじめに仲介会社などの専門家に相談を行う。秘密保持契約やアドバイザリー契約を締結し、希望の条件などを伝える - 資料の提出・作成
仲介業者に対し、診療所の財務資料や従業員の名簿などを提出し、診療所の概要署の作成・価値評価を行う - 譲受候補者を探す
仲介業者の紹介などにより、譲受候補者を探す - 譲受候補者との面談実施
譲受候補者が見つかったら、面談を実施する。双方の理念や考え、譲渡後について協議を行う - 基本合意書締結
現時点での譲渡価格・条件やスケジュールなどについて、書面で合意形成を行う - デューデリジェンス(買収監査)の実施
取引規模に応じ、専門家(会計士や弁護士)などによるデューデリジェンスに対応する。各種資料の提出や業務インタビューに対応する - 最終譲渡契約書の締結
デューデリジェンスの結果をもとにして、譲渡価格・条件などについて改めて交渉を行う。その後、最終的な条件をまとめた最終譲渡契約書を締結する - クロージング
締結した最終譲渡契約書の内容に沿って事業や出資持分を譲渡し、譲渡対価を受領する
診療所など医療機関において、後継者の不足や医師の高齢化を背景とした休業・廃業が増えているという状況ですが、閉院することによって地域や患者、これまで一緒に働いてきたスタッフといったように多方面への影響が考えられます。第三者承継は後継者不足による閉院を回避する選択のひとつであり、さまざまなメリットが期待できます。ただし、経営者自身が譲渡先を見つけるのは難しいケースが多いため、まずは専門家に相談するなど早期の段階から段階的に準備を行うことが大切です。
SAコーポレーション
12年クリニック運営を経験し、その後M&Aを行った宮﨑医師が、自分自身の経験をもとに、「医師が満足できる、幸せになれる医業承継を実現したい」とSAコーポレーションを設立。
十分な準備期間を経て、クリニックの価値を上げたうえで行うM&Aを提唱し、その情報発信やサポートを行っています。


